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リーダーシップ教育とキャリア会

2022.3.10

リーダーシップ教育とキャリア会

 教員を退職して早いもので一年が過ぎようとしています。その間、出版という機会に恵まれました(『 学校が苦手な子どもたちのためのアドラー心理学 』山口 麻美共著、アルテ)。ありがたいことに、日本アドラー心理学協会から出版記念イベントをやりましょうというお誘いをいただき、3月19日(土)の夜にオンラインで行わせていただきます(八巻 秀先生と講演と抱き合わせで実施)。みなさんもよろしければご参加ください( 日本アドラー心理学協会のH Pより申し込み可 )。

出版を通して明確に見えてきたものの一つに、これからの学校や社会は「ダーバーシティの推進・心理的安全性の確保・リーダーシップ教育の推進」が三位一体で欠かせないのではないかということです。
中でもリーダーシップ教育については、当法人の専務理事 由木 千尋が立教大学のリーダーシップカンファレンスなどに早くから参加していました。ここ数年、私も、由木を通して重要性を知り、書籍やオンラインで学び、今年度は産学連携教育イノベーター育成プログラムで、東北大学の履修生としてリーダーシップ開発力育成コース(立教大学)で学びました。ここでいうリーダーシップは、いわゆるシェアド・リーダーシップの考えに基づくもので、誰もがその良さや強みを通して組織や集団に貢献できるというものです。VUCAの時代と言われる先行き不透明な、変化の激しい時代において、誰か一人のリーダーに頼るのではなく、メンバーがそれぞれリーダーシップを発揮して対応して成功に導くモデルが重要になってきました。
個がどのように周りと関わっていくかという点でも大変魅力を感じており、小学校長時代の最後に取り組む予定でした。しかし、予期せぬコロナ禍で取り組むことができず、教員時代の大きな心残りでした。

話は少し変わりますが、2月下旬に、7、8年ぶりに就活生・社会人キャリア会@九州(以下「キャリア会」)に参加しました。キャリア会は、キャリアコンサルタントの園田 博美さんが主催する NPO FOCUS が運営しており、大学生がテーマを設けて、社会人と一緒に対話会を行うものです。大学生の任期は一年で、その間、毎月、開かれます。どのようなテーマを設けて、どのような運営をするかなど、大学生は週1回ミーティングを行い、毎月のキャリア会に臨みます。7、8年前までの数年間はよく参加していたのですが、小学校に異動になり、土日に行われる地域行事と重なることが多くなり、参加しなくなりました。
当時も大学生の一生懸命な姿や、大学生が社会人を含めた会を運営する経験の重要性を十分感じて参加していましたが、今回は新たな意義・意味を見出しました。それは先ほど、述べたリーダーシップ教育からの意味づけです。リーダーシップの定義は「チーム、もしくは職場の目標を達成するために他のメンバーに及ぼす影響力」(石川2016、Robbins&Judge2013)ですから、キャリア会の成功のために大学生が自分らしさを発揮しながら取り組むことはまさにリーダーシップ教育の実践です。今回、その視点からもキャリア会を堪能することができました。園田さんは12年前からキャリア会に取り組んでおられますので、その先見性にも驚かされます。

一度は諦めていたリーダーシップ教育の実践ですが、今年度はJCDA福岡地区会でキャリア教育の授業を担当させていただいている福岡市立中学校や、ある財団からJIYD(青少年育成支援フォーラム)へリーダーシップ教育の依頼が来ており、その担当者として実践することができそうです。
その点からもリーダーシップ教育の先輩であるキャリア会にできる限り参加して、多くを学び、少しでも多くの若者がリーダーシップを発揮できるように取り組んでいきたいものです。

代表理事 横田 秀策

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