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キャリア教育の潮流

2022.7.09

 梅雨がさっさと終わってしまい、夏の暑さが半端ではない季節となりました。博多のまちには、博多祇園山笠が追い山に向けて本格的に始まり、「オイサ!オイサ!」という掛け声が響いています。

 今年になって感じていることの一つに「キャリア教育の潮流」です。今までは、必要性は言われながらも、取り組みはあるものの、その内容まで見てみると、学校外の方へお任せ傾向が強く、イベント的な色彩が強かったように思います。

キャリア教育の潮流

 しかし、最近、学校の先生の中にキャリアについてきちんと学びたい、児童・生徒のためにもっと良いキャリアの取り組みをさせたいと感じている方が多くなったように感じます。この傾向は小学校よりも、中学校の先生に強いようです。高校の先生はどうなのでしょうか(探究の方へシフトしている方が多いのかな?)。

 JCDA福岡地区会として、学校全体のキャリア教育をサポートしているY中学校でキャリア教育の重要さ、そして、その学習が生徒を成長させることに気づいた先生が、今春の異動で他校へ行かれました。その先生からコロナ前までやっていたキャリア教育の学習会をやってほしいという要望をいただき、コロナによる2年半近くの中断を経て再開しました(その間オンラインはやっていました)。その中には、新たに参加された先生もおり、学習会後に「初めて参加したけど、こんな感じ(どうもエネルギーが湧いてくる感じのようでした)になるのは初めてです」というコメントもいただきました。キャリア学習を行うと、生徒がこのような感じになるということを体験していただいたということです。

 決して多くの先生がそのように感じているとは思いませんが、一部の先生にはコロナ前より、「本当のキャリア教育へのニーズ」が高まっています。

 これにはいくつか理由が考えられます。一つは、職場体験というリアルな体験(イベント)がコロナ禍で実施できなくなり、どうしたら良いか先生が考えずにいられない立場になったこと。そして、もう一つは、コロナ禍でいわゆるVUCAの時代(変化が激しく、不確実で、そして複雑、しかも曖昧な時代)を学校、先生がリアルに体験することになったことが挙げられるのではないでしょうか。そう考えると、パンデミックとも言えるコロナ禍ですが、コロナ化がもたらした良い影響の一つのような気がします。

 7月8日に、JCDA熊本地区会が取り組む熊本県の小川工業高校のキャリア教育充実化連携に参加し、高校生へのグループカウンセリングに参加してきました。この事業は、熊本県教育委員会、小川工業高校、そしてJCDA熊本地区会が連携して取り組んでいるもので、効果測定については熊本県教育委員会が分析を行い、報告書が作成されています。このような流れもキャリア教育の潮目が来ていると実感するものの一つです。

 6月に学習塾で行った保護者対象のキャリア講座も参加された方の取り組む姿勢や意識の高さには目を見張るものがありました。

 長いコロナ禍の中で、明らかにキャリア教育が潮流となっているのを感じます。今こそ「本当のキャリア教育」を広める時期なのではないでしょうか。そのお手伝いができるように当法人も取り組んでいきたいと思います。

          代表理事 横田秀策

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