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舎短取長(しゃたんしゅちょう)

2022.9.25

短所や欠点をすてて、長所をのばすという意味です。もしくは、つまらないものを排除してよいものを取り上げる事。

私自身、今年に入って「強み」に特化した学びを行っています。「苦手を克服しないといけない」とか「苦手な科目に時間をかけなさいとか」今までに散々言われ続けて来ましたが、遂に高校生までは数学を好きにはなれませんでした。それは数字の中に打算が隠されていると思い込み、数学は私の中では古典や歴史ほどは美しい科目ではなかったからです。小川洋子さんの「博士の愛した数式」を読むまでは。その小説の中で「素数」は、完璧な美しいものとして描かれています。そうか、そんな捉え方があったか。以来、以前よりは数字に興味を持ち、仕事上財務諸表を読むようになると俄然、昔は散々だった計算や確率がスラスラと頭に入るようになりました。人間は分からないものです。

舎短取長(しゃたんしゅちょう)

で、「弱み」ではなく「強み」のお話です。多くの人は恐らく自分の「強み」が何か知りません。知ろうともしません。「得意なこと人よりも上手なこと」と、それを捉えていると自己PRという厄介な問いにつまずくことになります。
 10月に新学期が始まったら、私が勤める専門学校では2年生後期から始まる就職対策講座の冒頭で12月までの間に就職活動の為の履歴書を書き始めます。難題は志望動機と自己PR。先ほどの話に戻りますが、自己PRを書く際「人よりも優れたところがないので書けません」と多くの学生が質問の手を上げます。私と学生にとって、秋は新学期が始まったばかりですから、お互い相手のことが良く分かりません。そんな時期に「○○さんにはこんな良い所あるでしょ」なんて事は嘘っぽくて流石に言えません。そこで「あなたらしい良さはなに?」と声を掛けてみます。この「あなたらしい良さ」に隠れているのは「性格的な強み」英語では「CharacterStrength」と言います。
ところが「性格的な強み」は「強み」の中で、まだまだメジャーな存在ではありません。
高校総体で優れた成績を残したとか絵画コンクールで入賞したとか、生徒会役員だったというような才能やスキルの「強み」に比べると訴求力がないと思われています。今の今まで、あなたを内側から支え形作って来たと言うのに。「性格的な強み」こそが一人一人の違いの源。誰一人として同じ人がいないのは、この「性格的な強み」の賜物なのです。

強みはその人のアイデンティティーの一部です。その人の価値観と深く繋がっています。「それを知るところから始めましょう。」と教壇から呼びかけると「私の場合それは何ですか?」と問われます。みんな、それが知りたいのです。「自分のことだから分かる」ではなく、「自分のことだから分からない」。逆説的ですがそうなのです。
そんな時私は、ポジティブ心理学の第一人者であるマーティン・セリグマン博士とクリストファー・ピーターソン博士、VIA研究所理事長のメイヤーソン博士によって開発され、世界19か国に提供されのべ260万人以上に使用されているツールを紹介しています。「VIA24」と検索して頂くかhttps://www.viacharacter.org/Survey/Account/Register’で検索して下さい。きっとお役に立てると思います。「強み」を知って、それを活用するようになると最小のエネルギーで最大の効果を上げることができるようになるでしょう。何故なら、「強み」は得意なこと、努力しなくても自然と湧き出るようにできる事だからです。

私の「強み」の学びはまだ始まったばかり。これから更によいレポートを提供できると思います。

                              専務理事 由木 千尋

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