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勇者ヒンメルのススメ

2024.7.23

 6月に台湾で、若い女性が通り魔を捕まえるという事件が起こりました。その時、SNSで大きく取り上げられたのが、どうしてそのような行動を取れたのかという質問に対し、その女性は「勇者ヒンメルならどうするかを考えた」と答えたことでした。この回答は、「葬送のフリーレン」というアニメの中で、なぜそのような行動をしたのかという問いに対し、「勇者ヒンメルならそうするから」という答えを返す場面が何度か登場していたことがあり、それに引っ掛けて大バズりしました。

勇者ヒンメルのススメ

 勇者ヒンメルは、エルフで魔法使いであるフリーレンたちとパーティを組み、魔王討伐を果たす中心人物で、「葬送のフリーレン」に登場するキャラクターの中でも非常に重要な存在です。なんだアニメやコミックのキャラクターか、と思われる方もいるでしょうが、ヒンメルをアニメのャラクターと馬鹿にしてはいけません。ヒンメルは、現代の若者や今の時代を理解するのに非常にわかりやすいモデルを提供してくれているのです。

 ヒンメルの言葉には今の時代や若者を理解するのに役立つものが多いのですが、その代表的なものに次のようなものがあります(一言一句を覚えているわけではありませんので、あらかた次のような話とご理解ください)。

 ヒンメルが仲間のフリーレンやハイターがくだらない魔法を使うことを微笑みながら楽しんでいると、同じく仲間のアイゼンが「くだらん、生きて帰れるかわからない旅なのに」と言います。それに対してヒンメルは「アイゼンは辛く苦しい旅がしたいのかい?」と尋ね、次のように言います。

僕はね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ。

 そして、別の場面では、

楽しんで人助けができるのなら、それが一番じゃないか。・・・・

楽しく冒険してダンジョンに潜って魔物を倒して宝を探して、気がついたら世界を救っていたような、そんな旅がしたいんだ。

 お分かりのように、このヒンメルの言葉の「旅」は「人生」という意味も兼ねています。一昔前の人ならば人生の荒波に負けないように歯を食いしばってやるんだ、仕事なんて楽しいことはない、など言っていましたが、現代の若者は「楽しくて意味がある旅」をしたいのです。若者だけではありません。私などは自称「妄想シニア」と名乗ることもあり、人生の終盤に差し掛かっていても「楽しくて意味がある旅」をまだしたいと思っています。

 研究結果からも、「楽しさ」はモチベーション要因の圧倒的一位です。ヒンメルの言葉は科学的にも立証されていると考えても差し支えないでしょう。

 若者と意識のギャップを感じている方、若者をなかなか理解できないとお感じの方、おられましたら「葬送のフリーレン」のヒンメルの言動を学んでみてはどうでしょうか。ヒンメルの言動に多くのヒントがあると思います。

代表理事 横田 秀策

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