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「キングダム」と「鬼滅の刃」

2021.11.10

 山々が紅葉に彩られ、秋の深まり感じられる季節になりました。

私は趣味というものがあまりなく、キャリア開発・成長に携わるようになって、教員だったこともあるのか、人の成長、そして組織の成長に興味に本当に興味があるのだと感じるぐらいでした。その私が、今年の夏以来、ハマっているものがあります。

その一つは農業です。教員時代にお世話になった先輩が、現在農業を営まれており、そのお手伝いに週1〜2回行くようにしています。農業サポーターですね。もちろん、無報酬ですが(お土産に里芋をもらうぐらい)、作業をやっているときは、チクセントミハイも喜ぶようなフロー状態になり、精神的にも身体的にも健康に近づきます。また、先輩も年齢的に体力が厳しくなっていく年頃なので助かります。本当にwin-winの関係です。

 もう一つは「キングダム」です。それほどアニメ(漫画)が好きなわけではないのですが、たまたまAmazon primeでアニメの放送が7月にあっていることを知り、観てみました。そうしたら、これがハマるハマる。同じ番組は2回観ない方なのですが、何回も同じものを観ても飽きません。今年の夏に福岡市美術館で行われたキングダム展にも行きました。昨年、同じようにAmazon primeで観た「鬼滅の刃」にも少しハマりましたが、「キングダム」のハマり方は「鬼滅の刃」どころではないようです。現在、電子書籍を購入しようと思っています。

 この二つのアニメ(漫画)はキャリアの視点で捉えると全く違うものが見えてきます。「キングダム」は信(しん)と嬴政(えいせい)のビジョンの話です。多くの方がご存知のように、信の「天下の大将軍になる」というビジョンと、嬴政の「民を苦しめる戦をなくすために中華を統一する」というビジョンが一緒になって展開していく話です。もう一方の「鬼滅の刃」は自己実現が一つのテーマになっています。自己実現の観点から見ると、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)より、敵役の鬼が注目に値します。鬼になった人間はほとんどが自己実現できなかった人間たちであり、その怨念から成仏できずに鬼になっています。ありたい姿・なりたい自分になれなかったことが鬼となることにつながっているのです。両作品の連載開始の時期を確認すると、「キングダム」が2006年、「鬼滅の刃」が2016年です。この10年間でキャリアに関する考え方も大きく進歩し、「意味・意義の時代」「自己実現の時代」「ナラティブの時代」などと呼ばれるようになってきました。最近、注目されているZ世代(1990年台中盤から2000年代終盤に生まれた20歳代半ばから10歳代前半の若者)の特徴的な気質も、先ほど述べた「自己実現」したい鬼や、炭治郎の優しさ、一つの型しか使えない善逸(ぜんいつ)、チーム意識など「鬼滅の刃」に通じるところが多い気がします。

 さて、皆さんは、この二つのアニメをどう観ますか?

                         代表理事 横田秀策

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