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中2病はモチベーションにつながる?

2023.6.10

中2病はモチベーションにつながる?

 今年は梅雨が早く始まり、雨が多く、すでに鬱陶しさを感じています。しかし、農業のお手伝いをするようになってから雨の貴重さが一層わかり、少し安心した気持ちも感じます。鬱陶しいやら、安心やら、人の感情は簡単ではありません。皆さんは、梅雨の雨にどのような思いを持たれているでしょうか。

 研修講師などを務めていると、モチベーションに関わるテーマをいただくことがあります。モチベーション理論の歴史を振り返っても、人それぞれモチベーションの要因があり、一括りにこれだと断定できないところがあります。ただ、長期的に見れば、いわゆる内的動機付けに基づいて、自己決定性を重視したものが有効だと言えるのは間違いありません。

 したがって、人生のビジョンとも言える「ありたい姿」を描くことは人生をモチベーティブに送るためにとても重要なことです。「ありたい姿」とは、自己実現した時の姿です。ビジネスにおけるビジョンと同様で、そこまで行き着くかどうかわからないけれど、描くことによってそこへの道標(目標)を持ち、前に進むことができるものです。

「夢」という言葉がありますが、私たちが一般的に使っている言葉ではかなり意味が近いものではないかと思います。

 それでは、「ありたい姿」やビジョン、「夢」と、妄想はどのような違いがあるのでしょうか。もっと言えば、中2病と言われるものとはどう違うのか。中2病は、Wikipediaによれば「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語、転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や思考などを揶揄したネットスラング」とされています。自虐や揶揄という部分はスタンスが違うことがわかりますが、それ以外のところは「ありたい姿」やビジョン、「夢」、妄想と大きな違いはないような気がします。

 自分の人生を振り返っても、出来もしないような話を、いわゆる妄想することは多々ありました(それをどれだけ外部に漏らすかは別です)。過去の経験(人生)が長くなればなるほど、現実という枠に縛られて、その妄想はだんだんスケールが小さくなっていっていますが、62歳の今でも出来もしないことを描くことはよくあります。最近の例では、フリークライミングをやってどこまで登れるか挑戦したい、登りきって壁の上まで行くとカッコいいジジィになれると先日思ってしまいました。中2病ではないかもしれませんが、まさに62病です。

 しかし、世の中を見渡せば、すごい発明をしたり、発見をしたりした人はほとんど中2病と言ってもいいほど、その時代から考えれば現実離れした妄想とも言えるものを追いかけることから始まっています。GAFAでも、Amazonを除けば、他は創業者の妄想からのスタートです。しかも、現実の枠組みに縛られて身動き取れずに一生懸命生きている人よりも、中2病的な妄想とも言えるものを追いかけている人の方が幸せそうに見えるのはどうしてでしょう。

 中2病と、「ありたい姿」や夢、ビジョンが同じとは言いませんが、それはどこから区別できて、どこを過ぎればビジョンなのか、中2病なのかははっきりしませんね。そう考えると、中2病は人生のモチベーションにつながっていることにもなるのではないかと思います。

いろいろお考えはあると思いますが、中2病はダメと捉えるよりも、それを活かして次のステップへ進むことの方が有益で、面白いような気がします。とりあえず、私も62病は治さずに人生楽しみたいと思います。 

代表理事 横田 秀策

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