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この会社でなければならない理由は必要なのか?

2022.4.25

この会社でなければならない理由は必要なのか?

 新年度に入り、今月も就職活動に邁進する学生さんたちのキャリアコンサルティングに力を注いでいます。自らの意思で予約して来談される方々はとても前向きでエネルギッシュです。様々な情報に触れ、履歴書やエントリーシートにもたくさんの工夫が見られます。

 一方で準備すればするほど「これで本当に良いの?」「そもそも自己分析できているの?」と不安に思っておられることも多く、私たちキャリアコンサルタントに話す=外化して整理することで、「これで良いのだ」と自信を深めたり、改めて自分の良さに気づくことができたりされているようです。その時の目の輝きや充実した表情が見られた時、この仕事に携われて良かったと心底思います。

 そのような中で印象に残るやり取りがありました。ある学生さんが志望理由について一緒に考える過程で柔らかく、でもきっぱりとした口調で次のように話されました。

 「第一志望ですが、この会社でなければならない理由はありません。私は自分の目指す社会人像が明確にあり、それを叶えられると思ったから志望しています。」

一部分だけを切り取ると強く出ているように感じられるかもしれません。ですが私はその発言を聞いたとき、あまりの潔さに、息を吞むような、「ヒュ~♪」と口笛を吹きたくなるような気持ちになりました。

 そして、代表理事の横田が以前講座で引用していた中原淳先生の文章を思い出しました。

 最後の勝ちというのは納得の行く就職活動になったという意味だと捉えています。3,4点目は内定をもらうことがゴールではなく、そもそも自分がどうなりたいのか、視点を遠くに持つことの大切さを示唆しているようにも感じます。

 目の前に迫っている就職活動では内定をもらうために、ともすればテクニカルに、志望先に迎合するようなエピソードを準備したくなるかもしれません。ですが、改めてこれまで何をやってきて、これから何をしたいのか、自分と対話する機会を持ち、整理できると、話を聞く相手にも伝わるだろうと実感しています。

 その準備のために今後も役立てたらと想いを新たにした出来事でした。

                              理事 吉次 恵美

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