キャリア塾への思い
2022.10.10
7月からTeach for FUKUOKAという学習塾でキャリア講座を月1回のペースで行っています(これを「TFFキャリア塾」と名づけています)。小学生から高校生までという異年齢で、希望参加です。受講者は決して多くありませんが、児童・生徒と一緒にキャリアについての良い学びができているのではないかと思っています。そのためか9月からは、保護者も参加するようになりました。中には、参加したいけど、保護者が参加するなら参加しないという生徒もいますが、塾長と相談して、保護者の学びの場を作ることは大切だと考え、10月以降も受け入れていきます。
キャリア塾については自分の思い入れがあります。キャリアについて資格を取得し、本格的に学び始めた頃から、学習塾ならぬキャリア塾を行うことは夢でした。10年ほど前にすでに保護者にキャリア塾について意見を求めていました。人生や仕事について学べるキャリア塾を開き、その隣に学習スペースを確保し、生徒の自学をサポートするプランを考えていたように記憶しています。
しかし、実際に行うとなると、固定費が大変なことや、子どもたちが学習塾を選択せずにキャリア塾を選択するのかなど、難しい課題が多く、実現は困難であると諦めていました。
今回、TFFの塾長と描く子どもの将来像が近いことがあり、TFFキャリア塾を開くことができたことは、自分にとって一つの夢の実現であり、本当に意義深いことです。
実際、キャリア塾を始めて思うことは、やってみて本当に良かったということです。8月に参加してくれた高校生は受講後、塾長に「心が動いた」時間となったことを語り、思い切って参加したことを喜んでいたようです。また、9月に参加してくれた小学生や高校生も、今の自分の悩みから抜け出せるきっかけとなったと感想に書いてくれていました。
キャリアについての課題は大人になってから現れるのではなく、子どもの頃、もう少し詳しく述べれば、小学校高学年の頃から、その人を悩ませる課題として現れてきます。もちろん、人によってはキャリアの課題直面することなく成長する人もいますが、それは決して課題がないわけではなく、たまたまそういう課題が現れなかっただけなのです(存在するのに見えていなかった、感じていなかった)。課題への対応するための知識やスキルが身についていなければ、それが積み重なり、後になって課題を克服するために多大な努力と犠牲を払わなければならないこともあります。そのことを考えると、キャリアについての知識とスキルは、発達段階に応じて身につけていくことが、スムーズに、その人らしい、より良い人生を築くための重要なポイントとなるのではないでしょうか。
家庭や学校での発達段階に応じた適切なキャリア教育は、非常に重要であり、できるだけ早く実現しなければならないのではないかと思います。
毎月の講座の様子を参観している塾長にもキャリア塾の重要性を認識していただいており、冬には通塾生が全員参加する講座を一度取り組みたいと申し出てもらっています。
このように一緒に取り組んでくれる仲間を少しでも多く作り、キャリア塾や学校でのキャリア教育・学習に粘り強く取り組んでいくことが自分にできることの一つだと思っています。それは使命感と言っても差し支えがないものでしょう。一人でも多くの児童・生徒にキャリア教育の重要性をわかってもらい、学んだことを活用して自分に人生づくりに役立ててもらえるように努力していきたいと思います。
代表理事 横田 秀策