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芸術の秋

2022.10.25

今回、コラムを担当する正会員の「中村 拓昭(なかむら ひろあき)」です。悲しいことですが、なかなか一回で正しく読んでもらえることがありません。ただ、職場でメールアカウントを設定されたのが「なかひろ」だったこともあり、最近は「ひろ」と呼んでいただく機会が増えました。メール社会、デジタル社会に感謝しております。キャリアコンサルタントを所持しておりますが、普段は、大学職員として勤務しております。

「食欲の秋」「スポーツの秋」など、何をするにも気候的に安定していることから、いろいろなことに取り組みたくなる季節です。その中でも「芸術の秋」について私のコラムを書かせていただきたいと思います。

芸術の秋、芸術学部がある私の勤務先では、大学祭は学生たちの作品発表の場でもあります。絵画、イラスト、写真、陶芸や金工など、グループ展や個展を開催し、中には作品を販売する学生もいます。今年は、ようやく開催できそうです。音楽部、ジャズオーケストラ、吹奏楽部などが、夕方からリハーサルを繰り返しています。発表の場、活躍の場がなくなるというのを経験しただけに、思いっきり活動に取り組み、発表してほしいと思っています。

芸術の秋

さて、美術や音楽などが「好き・得意」とする学生もいれば「嫌い・苦手」とする学生もいます。特に、幼稚園教諭や保育士を目指す学科の学生は、「音楽」の単位を必ず修得しなければなりません。「教育実習・保育実習」では、学生であってもピアノを弾くことを求められます。例えば、「♪おべんと、おべんと、うれしいな~♪」は、昔から歌われていますが、いまでも歌われています。

しかしながら、男女を問わず、ピアノを苦手とする学生は少なくありません。苦手な学生にとっては、「おべんとう」をピアノで弾きながら歌うというのは、大変なことのようで、実習直前になると、レッスン室が大変混みあっています。その一人から「ピアノ、苦手なんです」と言われたので、私は、「おんがく(音楽)がおんがく(音が苦)になっていないか?」と訊くと「あ、ああぁ、そうなんです」と腑に落ちた様子でした。

ここからは、私の持論です。「音楽」は「楽」の字のとおり、本来「楽しいもの、楽しむもの」であると常に思っています。アイドル歌手であれ、クラッシックであれ、ジャズであれ、苦々しい顔をして歌ったり、演奏したりしているステージは見たことがありません。しかし、その裏では、並々ならぬ練習と苦労を重ねており「音が苦」なくして、その「音楽(楽しさ)」は表現できないのだろうと思っています。そこには「音学(学び)」も求められます。

いまは、ICT機器が発達し、YouTubeもあることからいろいろなピアノの練習法があるようです。簡単にピアノが弾けそうなYouTube動画などもありますが、「基礎・基本」を学ばずに練習しても、なかなか上達は難しいように思います。スポーツでも、野球は「キャッチボール」の基本(ボールを握ること)から始めるでしょうし、水泳は水に顔をつけて「バタ足」や「息継ぎ」から始めると思います。

ある程度のところで「なんとかなれ~!」「まずは、やってみよう」という楽観的で好奇心を持った考え方は、昨今の時節柄、生きていくうえで必要なことかと私自身が思うことです。しかしながら、本当に必要な「基礎・基本」を疎かにしないで「ほめて伸ばす」人財育成をどうすればいいのか、芸術の秋、青空の下、ふと考えたことでした。

正会員 中村 拓昭

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