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葉月

2023.7.25

 「葉月」は8月の旧名です。「葉月」と言う字面からは緑深い真夏の頃を連想させますが、なんと!葉の落ちる月「葉落ち月」が転じて「葉月」となったと言う説が有力です。

 旧暦は現代の暦からは2か月程ズレている為、感覚とは合わない気がしますね。

葉月

 では現在の8月はと言うと、「夏休み」「海の日(7月15日)」「山の日(8月11日)」に代表されるように、眩しい太陽を象徴する月です。

 人の一生を季節に例えるとすると「夏」は10代後半から20代前半、「青春」真っ只中な頃でしょうか。私の年齢60代前半なら「秋」の盛り。人生で最も実りある時節ではないかと思いながら、思うほど「実り」が実感できない。

 私の脳内イメージでは60代は人生の「実り」を実感できるはず、でした。

 理想とする所は昔のタレント大橋巨泉さんのように55歳で引退し、リタイヤ生活を謳歌する事でした。ただ、結婚出産が遅かった事で大きくズレが生じ、55歳になっても子供は二人とも大学生。最もお金がかかる時にリタイヤなんてもってのほか(笑)

 この春、下の息子が無事社会人となり、どうにかゴールに辿り着けた気になるも束の間。

長女の結婚・出産で忙しさ倍増!今年1月下旬から4月に掛けては、産休を2か月取った娘婿を東京から迎え入れて大人6人新生児1人のような、もう笑っちゃう程の忙しい日々を送ってしまう事に。

 こうして慌ただしい内に人生を終えてしまうのだろうか。私には安息の日々はやってこないのか。

5月に入り、息子が横浜に赴任し娘夫婦が孫と共に東京に戻り、暇な日々が来たら来たで少し困った事態になりました。俗に言うバーンアウトに陥ったのです。朝から晩までダラダラと過ごし、何もヤル気にならないのです。以前なら読書に明け暮れたり映画を見に劇場に足を運んだり、Netflixで韓流ドラマに沼っていたのに。どうでもいいスマホゲームで、ただ時間を潰す生活が暫く続きました。外出する気も起きず、「推活」に勤しむ友人が妙に羨ましかったのです。いわゆるウツはこうしてやって来るのだろうかという不安が漠然と訪れます。中々に辛い日々であった事をここで白状しておきます。

起死回生の一発はそんな内に起きました。2021年に参加した産学連携教育イノベーター育成プログラムから(この時は東北大学を筆頭とするプログラムで立教大学のリーダーシップ開発力育成コースを専攻)、研修講師養成講座の案内があり、無料で5名の募集でしたので選ばれる訳もないと思いつつ締め切り1日前に志望動機を送りましたら、受講認定案内が送られて来ました。あらら。受講者名簿を見るとどの方も錚々たる顔ぶれ。恐らく多様性を担保する為に私のような専門学校の教員を選んでくれたのかも。と最初はそう言う思いだったのですが、選ばれたからにはBestを尽くさなければなりません。

あれっ?!

 つまり私は自分の動機ではなく、他からの要請で動くタイプの人のようでした。かくして、人生の「実り」をゆっくり味わうのはまだ先で、当分の間は忙殺されろと言うことのようです。

「葉月」からは随分と離れた話になってしまいました。

                             専務理事 由木 千尋

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