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自己認識は非認知能力

2023.8.10

 暑い日が続いていますが、皆様、いかがお過ごしですか。私の方は、夏休みに入り、大阪、佐賀、高知、兵庫、茨城と各地をワークショップで旅しております。少々、夏バテ気味ですが、美味しいものでも食べて元気出していきたいと思います。

 前回のブログで、自己認識の重要性に対する意識が足りていないことがチャレンジマインド動画、そしてキャリア教育の大きな課題だと述べました。これはここ十年一貫して感じている課題です。

自己認識は非認知能力

 

 なぜ、このことが大きな課題になるかということの大きな理由の一つが非認知能力に対する認識にあるように感じています。

 非認知能力とは、粘り強さや積極性、コミュニケーション力、モチベーションなど、数値化できない(測りにくい)能力のことです。ライフスキル、ソフトスキルとも言われます。私は、わかりやすいように、経済産業省が提唱している社会人基礎力(3つの能力と12の能力要素)と考えてもらうようにしています。

 これらの力の特徴は、いわゆるTeachできないというところです。この場合のTeachは指導と置き換えても良いでしょう。自己認識も非認知能力です。したがって、日頃から「きちんと本当の自分がやりたいことを考えておきなさい」と指導しただけでは、自己認識は十分できないのです。

 きちんと事前に認識させることについてポイントを示し、それを実際練習して取り組み、自分でポイントを掴む、さらに、それを実生活の場で使ってみて振り返ることでようやく身についていきます。身につくということにしても個人での差があり、人によって腹落ち感が違います。

 しかも、自己認識については、脳の働き上、どうしても外部の情報や刺激に意識をさらわれる傾向があるので、初期の段階では(中学生の段階などはまさに初期)、自分の心や身体の声に意識を向けさせる、集中させる環境づくりが必要になります。このような取り組みを繰り返しやって、やっと非認知能力は身についていきます。人によって非認知能力への感度の高い人(生徒)はそれほどやらなくても身につけることができますが、多くの人(生徒)は繰り返しやらないと身につかないものです。

 非認知能力が育つかどうかは環境が握っていると言われることがあります。非認知能力が高い環境で育つと、自然にやり方として繰り返されていくので身につきやすいのです。しかし、現実の社会を見てみると、非認知能力が高い環境が十分であると言い難い状況です。そうすると、学校で非認知能力が育つ環境づくり、それへ向けた取り組み(これをスキル学習と言います)を行うことは生徒のキャリア開発・成長の鍵を握っていることなのでしょう。

 自己認識への取り組みが十分でない中で、キャリア教育が行われているのが現状でしょう。せめて、自分が関わった方に理解してもらい、一緒に子どもたちの非認知能力を高める取り組みを進めていきたいと思います。

代表理事 横田 秀策

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