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当法人の原点

2023.9.25

 今年も9月、10月と2回にわたり、長崎県の私立高校のキャリア学習を担当させていただいています。始まったのが2014年ですから、コロナ禍の中断はあったものの、もう10年間続けさせていただいたことになります。有償のキャリア教育プログラムを10年間続けるというのは、全国にもあまり例がないと思います。

 思い起こせば、10年前に、当時の教頭先生が「生徒300人が自分の人生に意欲的になるワークをやってほしい」という話を、当法人の専務理事 由木千尋に持ちかけられたのがきっかけでした。
由木は、その相談をJCDA(日本キャリア開発協会)福岡地区会の懇親会で自分に持ちかけました。高校生が自分に人生に対して何を学んだら意欲的になるのか、そのお題はキャリア教育への思いでCDA(キャリアディベロップメントアドバイザー)を取得した自分にはとても魅力的で、やったことがないにも関わらず、すぐに「やれる」と返事した記憶があります(今、考えると、少し無謀かも?)。
そして、年5回(2時間×5回)のプログラムを作成し、提出。年4回のプランとして実現しました。その後、理事の吉次恵美を誘い、3人で担当する体制となりました。

 10年前に始めた頃は、教頭先生の熱意はすごかったのですが、担任の先生は興味がなく?、体育館の後ろで採点されている先生も多数いました。そこで、先生をキャリア教育に巻き込むためにはどうしたら良いか、もっと具体的に言えば、「将来、どのようなことがやってみたいの?」「何をやればやりがい感じそう?」など、キャリア的な話題について、教室で先生が生徒と一緒に話ができる環境を作ること(そのサポート)をねらいに定めました。そして、先生のキャリアインタビューに取り組むことにしました。なぜ、学校の先生になったのか、キャリアの棚卸しをすることで、生徒にキャリアについて学んでもらい、そのことをきっかけに先生が生徒のキャリア開発・成長に関われるようにきっかけづくりをおこなったのです。
そのような取り組みを進める中で、当時の校長先生が、生徒が4人グループで話し合ったり、作業したりしている姿を見て、周りの先生に「これが、学ぶということだ!」と言われていた姿はとても印象に残っています。

当法人の原点

 

 現在では、キャリア教育について高校の先生も理解していただき、大変協力的に取り組むことができています。キャリア教育の時間を先生自身が楽しみにしているだけでなく、キャリア学習中には、担任の先生は、生徒のワークの中に入り、声をかけながら参加していただいています。当法人が担当するキャリア教育の時間がどれぐらい、その高校の後押しになっているのか、科学的に検証するのは難しいと思いますが、少子化が進み、いずれの学校でも受験者数が減少する現在において、その高校は受験者数が増え、学年の定員も10年前に比べると増えています(現在、学年の定員400人)。

 (一社)FCC GROOVEの出発点は、その高校でのキャリア学習を担当させていただいたことです。10年もの間、伴走することで、プログラム、そして関わる姿勢など多くのことを学ばせていただきました。当法人ではありませんが、JCDA福岡地区会で全面的にサポートしている福岡市立友泉中学校での取り組みも、その高校での取り組みが参考になって生まれていることは間違いありません。
学校を理解し、伴奏できるのか、そこに良質のキャリア教育が定着し、効果を生み出すことができるポイントがあると思います。

代表理事 横田 秀策

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